大手銀行5行は9月30日、10月の住宅ローン金利を発表した。契約者の約7割が利用する変動型について、全行が基準金利を2007年以来17年ぶりに引き上げ、2.625%(前月は2.475%)とした。日銀の追加利上げを受け、9月に参考指標となる短期プライムレートを引き上げたことを反映した。
実際の適用金利は、基準金利から借り手の信用力に応じた優遇幅を差し引いて決まる。変動型の新規借り入れ最優遇金利は、三井住友銀行が0.625%、三井住友信託銀行が0.48%、りそな銀行が0.49%と、3行が前月から0.15%引き上げた。一方、三菱UFJ銀行は0.345%、みずほ銀行は0.375%に据え置いた。みずほ銀は新規借り入れのみ基準金利も横ばいとした。
既存契約では、三井住友信託銀が12月の返済から、他4行では来年1月の返済から新金利が適用される。多くの銀行では、借り入れ後に金利が上昇しても5年間は毎月の支払額を据え置く仕組みを設けており、支払額に占める元金の返済部分が減り、利息の割合が増えることになる。
固定型は、代表的な固定期間10年の最優遇金利を三菱UFJ銀と三井住友信託銀が引き上げた。三井住友銀とりそな銀は引き下げ、みずほ銀は据え置いた。
日銀は、経済・物価が見通し通りに推移すれば今後も利上げを行う姿勢を堅持しており、変動型の金利はさらに上昇する可能性がある。ただ、ニッセイ基礎研究所の福本勇樹金融調査室長は「固定型に比べれば金利水準は十分低く、今後も変動型が主流になるのではないか」と話した。
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