優秀な人材が欲しい― その思いはパートでも正社員でも同じはずだが、フルタイムの正社員と、働く日数や時間帯が限られるパートでは採用のポイントは異なる。アンケート(9月30日号2-3面に掲載)回答者の中から、パートの採用方法や戦力化において特徴的な取り組みを実践している工務店4社に話を聞いた。
経験者が理念に共感して仲間に
楽建舎の代表・芦澤正仁さんは、子育て世代に「子育てと両立できる働き方を提供するため」にパートの採用を続けているという。現在働いているパート従業員は、なんと自社のOB顧客で、各種申請の補助やパース、展開図作成を担当している。
住宅業界で経験を積んだものの、ライフステージの変化で業界を離れてしまい、優秀なのにキャリアが形成されない人は少なくない。住宅業界の経験者で、かつ「当社の理念に共感していただいた」ことが、顧客という一線を越えて、専門的な業務を担う戦力となる。
芦澤さんは「採用時に“パートだから”と限定した業務はないことを説明する」という。業務の差配はあくまで適正を重視して決める。パートも正社員と同様の業務を担い、社員教育のためにセミナーも受講してもらう。もちろん、学びが利益に結び付けば「(パートを含む)すべての社員に利益を分配して還元する」。
クラウドワーカーをチーム化し
合理化と品質向上を実現
神馬建設は、個人事業主やクラウドワーカーとの連携で、社長・神馬充匡さんにかかる膨大な業務の負担を削減・合理化しつつ、アウトソーシングする一つ一つの業務のクオリティを高めている。おかげで、将来を見据えて家づくりや経営の方向性を定めるという「いま、最優先で取り組まなければいけないこと」に集中する時間を生み出すことができているという。
神馬さんは顧客対応から設計、現場管理まで全てを1人で担う。設計に関しては、毎月一定量の仕事を委託する条件で、札幌市内の30代の女性設計者(個人事業主)を外部パートナーとしている。 また・・・
この記事は新建ハウジング9月30日号16面(2024年9月30日発行)に掲載しています。
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