スペースリー(東京都渋谷区)などの不動産テック企業ら8社が不動産関連事業に従事する1320人に対して行った「不動産業界のDX推進状況調査2024」の結果を発表した。アンケート実施期間は、2024年7月11日から8月5日。
それによると、DX推進を「強く推進すべき」「推進すべき」「状況に合わせて推進すべき」と回答した人の合計が99.0%で、ほとんどの人がDXの必要性を感じていることがわかった。「実際にDXに取り組んでいる(いた)・予定」の企業も64.3%と、DXの取り組みへの意識が高まっていることが明らかになった。
DXに取り組んでいる期間については、「3年以上」が30.1%で、昨年と比較するとその割合が約10%増加した。1年以上取り組んでいる企業と合わせると67.9%となり、DXに継続的に取り組む企業が増えている。
DXの効果については、「とても効果を実感している」(20.4%)、「まあまあ効果を実感している」(55.3%)を合わせると75.5%が効果を実感していることがわかった。具体的な効果は「従業員の生産性が向上した」が74.0%で最も多かった。
一方、DXで感じる苦労は、「予算の不足」が最多の42.3% だった。従業員数が少ない企業ほど、「予算不足」が苦労の要因となっている。
「DX疲れ」を実感しているか質問したところ、「とても実感している」 「まあまあ実感している」と回答した人の合計は34.1%だった。理由として、半数以上が「複数のシステムを使い分けることに難しさを感じている」「システム同士が連携していないことによる不便さを感じている」と回答した。「DX疲れ」を防ぐためには、システム同士のなめらかな連携が重要になってくると考えられる。
AI活用2割
近年、さまざまな領域で活用が進んでいる生成AIについて、18.0%が「業務で活用している」と回答。活用している生成AIは「ChatGPT」が87.8%と最多で、「物件の紹介文などの作成」 や「情報収集」「顧客対応や問い合わせ対応文の作成」などを目的に利用していることがわかった。
同調査は、「約70%がDXへの取り組みを1年以上継続していると回答し、3年以上継続している企業の割合も昨年より約10%増加するなど、DXへの取り組み意識が高まっている。システムを導入している企業は、目的に応じた活用ができているか定期的に見直すことが必要」と分析。「システムを提供するベンダーも、導入後のサポートへ注力し、システム同士のなめらかな連携を推進することで、さらなるDXの加速が期待される」とまとめている。
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