大正15(1926)年創業の老舗・渡辺工務店(福島県伊達市)が、耐震等級3・断熱等級7の高性能住宅専門ブランドとして2022年に設立した「hygge(ヒュッゲ)」が好調だ。これまでに8棟を引き渡し、2024年度も施工中の案件を含めてすでに4棟が成約。現時点で2年先までの着工枠が埋まっている状況だ。同社常務取締役でhyggeを統括する渡邊一紘さんは「将来にわたって住まい手が安心、安全に暮らせる快適で省エネな住宅を提供しながら、地域工務店の手で高性能な住宅を広げていく起爆剤になりたい」と抱負を語る。【編集部 関卓実】
デンマーク語で「居心地のいい空間」や「楽しい時間」を意味するヒュッゲは、暮らしや住まいの価値観のひとつとして国内でも注目されている。その言葉を冠した渡邊さんが立ち上げたブランドは、実際には営業・接客からプラン・設計、現場管理、引き渡しまで、ほぼ渡邊さんが1人で切りまわしており、「ブランドというよりは別会社というイメージ。大工、職人といった施工部隊も会社の住宅部門とは別の人たちで編成している」と説明する。
hyggeブランドの1棟目となった住宅。渡邊さんは「この住宅(の見学会など)から新しい顧客が生まれて今がある」と施主に感謝する |
ブランドのウェブサイトもコーポレートサイトとは別に設けて、プロモーションもhygge独自に展開している。「この戦略が奏功し、好調の要因となっている」と渡邊さんは分析する。渡辺工務店の住宅部門も耐震等級3、断熱等級5以上、全棟長期優良住宅で気密測定を行うなど基本性能は高い。とはいえ、地元で創業100年近い、公共工事なども手がける老舗工務店として、地域の幅広いニーズに応える責務があり、顧客を絞り込むことになる「尖った住宅」をメインブランドとしては展開しにくい。
ただ、渡邊さんのなかには・・・
この記事は新建ハウジング9月20日号4面(2024年9月20日発行)に掲載しています。
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