平松建築(静岡県磐田市)では、YouTubeチャンネル「職人社長の家づくり工務店」をはじめとして、書籍やメディア露出など情報発信に力を入れている。全国からの問い合わせも増えたため、各地の認定工務店を生活者に紹介する「職人社長の家づくり工務店 未来プロジェクト」を4月からスタート。自社の発信力で、集客難にあえぐ工務店を支援しつつ良質な住宅を普及させていく。
YouTubeチャンネル「職人社長の家づくり工務店」は、登録者15.6万人、視聴回数約5600万回を誇る人気チャンネルだ。社長の平松明展さんが家づくりのポイントや、現場の様子などを紹介する動画を毎日投稿している。
チャンネル自体は2016年に開設したが、運用に本腰を入れ始めたのは2022年の10月。平松さんは「市況の悪化が目に見えてきたので、事業の拡大も視野に入れて、受注を安定して獲得していくために」、YouTubeのさらなる活用を決意した。
成果はまず成約率の向上という形で現れた。YouTubeを事前に視聴している見込み客とは「金額のミスマッチさえなければ大部分は契約に至る」。現在、対面での成約率は約30%だという。集客コストも従来の3分の1まで減り、通常は3%程度が適正だとされる、売上に対する販促費の割合も1%に抑えられている。
現在、同チャンネルの再生時間は年間で約400万時間。営業マン1人が年間1500時間を営業活動に費やせるとすれば2600人分に相当する計算だ。
集客を発信力で代行し経営をアンバンドル化
同チャンネルの人気が高まるにつれ、主な商圏である静岡県浜松市周辺での認知度も高まっている一方、県外からの問い合わせも増加した。人口の多い都市圏からのコンタクトが特に多いという。ただ・・・
この記事は新建ハウジング9月20日号3面(2024年9月20日発行)に掲載しています。
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