総務省が9月6日発表した7月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は29万931円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.1%増加した。プラスは3カ月ぶり。変動の大きい設備修繕・維持の増加が大きく効いたものの、食料や電気代などは節約志向から減少。消費全体が盛り上がりを欠き、定額減税や賃上げの効果は乏しかった。
項目別では、リフォーム時の設備器具などを含む設備修繕・維持が34.6%増。パリ五輪・パラリンピック観戦需要からテレビが74.2%伸びた。このほか国内パック旅行費が47.0%、外国パック旅行費が62.6%それぞれ増加し、プラスに寄与した。
一方、食料は1.7%減少した。牛肉や豚肉よりも価格が低い鶏肉の購入が増え、肉類は5.7%マイナスだった。
光熱・水道は4.6%減。政府による電気・ガスの負担軽減策がいったん終了した影響で使用量が抑えられたとみられ、電気代は6.2%減少した。バイクなどを含む自動車等関係費は7.2%減だった。
勤労者世帯の実収入は5.5%伸びたが、預貯金が9.1%増加。総務省は「収入ほど支出が増えておらず、貯蓄に回っている部分もある。支出先を選びながら(お金を)出している」(担当者)と分析した。
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