新潟県内の工務店や設計事務所などでつくる「住学」と、次世代の大工のあり方を考える「大工の会」の2つのコミュニティがコラボし9月7日、伝統的な大工の技術や木材の特性などについて学ぶ勉強会を新潟県糸魚川市で開催した。住学メンバーで匠-TAKUMI (同市)の社長、現場でたたく大工でもある渡辺智紀さんが講師を務め、同社の作業場・加工場で実際に大工が木材を手刻みで加工する様子を披露したり、加工した木材をつないだ長大な桁の強さを目の前で見せるなどして、大工の技の有用性や天然乾燥した無垢の木材の魅力を伝えた。両コミュニティから、大工や工務店経営者、設計者ら約60人が参加した。
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最初にあいさつに立った大工の会の発起人の木村光行さん(木村建造社長)は「僕らはCLT建築や非住宅を手がけるなど、渡辺くんがやっていることとはずいぶん違うが、大工がもっと勉強しようぜ、設計者と対等に話せる知識や大工としての軸を持とうぜ、という根っこの考え方は同じだと考えている」と語った。渡辺さんは「日ごろ、大工の伝統的な技術の意義や天然乾燥材が備える機能性に対して、設計者と認識を共有するのが難しいと感じている」とし、「今日は設計の人たちに、木造住宅に携わる者として、じかに木に触れながら、数値やデータだけではわからないことを体感して、自分のなかに落とし込んでほしい。きっとより良い家づくりや建築につながっていくはずだ」と呼びかけた。
同社の広い作業場では、「金輪継ぎ」と呼ばれる技法により・・・
この記事は新建ハウジング9月10日号2面(2024年9月10日発行)に掲載しています。
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