各省庁が2025年度予算の概算要求・税制改正要望を公表した。能登半島地震の被害、脱炭素・GX、物価上昇といった課題の中、来年度の住宅関連施策、補助事業は何が重点になるのか。国土交通省、環境省、経済産業省3省の概算要求からポイントを紹介する。
耐震化促進のため新事業創設へ
国土交通省は一般会計で7兆330億円(対前年度比1.18倍)を要求した。能登半島地震の発生を受け、密集市街地対策や住宅・建築物の耐震化の強化に392億円(同2.15倍)を計上したほか、住宅・建築物の脱炭素対策を強化するための施策に1263億円(同1.19倍)を計上した。
住宅局関係の要求額は2088億1000万円。重点施策として、①住まい・くらしの安全確保良好な市街地環境の整備②既存ストックの有効活用と流通市場の形成③住宅・建築物における脱炭素対策等④誰もが安心して暮らせる多様な住まいの確保⑤住宅・建築分野のDX・生産性向上の推進等―の5点を示した。
①では、耐震化に加え防災性の確保や、防災拠点となる施設の整備を緊急的に支援する新規事業「住宅・建築物防災力緊急支援促進事業」[図1]に300億円を計上した。また耐震診断・改修および除却・建て替えや、木造密集地域における耐震化に対する支援は強化、拡充するとした。
②のストック活用では、区分所有法の改正も見据えて、高経年マンション対策に重点が置かれた。一方で空き家対策への支援や一定基準を満たす既存住宅に対するフラット35の金利引き下げ(フラット35S、地域連携型、維持保全型、子育てプラス)の継続・拡充を盛り込み、長期優良住宅化リフォーム推進事業の継続も要望した。
③脱炭素施策では・・・
この記事は新建ハウジング9月10日号5面(2024年9月10日発行)に掲載しています。
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