石川県は9月3日、2024年度9月補正予算案を発表した。予算案では能登半島地震への対応に重点を置き、被災者の生活支援や住まいの再建支援などを盛り込んだ。恒久的な住まいの再建に向けて、自宅再建希望世帯に給付金ローン利子の助成などを行う。対象は半壊以上の被害を受けた世帯、もしくは長期避難世帯。支援金は国からの交付金や県の基金などを財源とし、総額68億円規模となる見込み。
県では被災者の希望に応じて、自宅再建、民間賃貸住宅、災害公営住宅などの住まいが確保できるよう、支援メニューをパッケージとして提供する。
このうち自宅再建希望世帯には、リバースモーゲージ型融資も対象とした自宅再建利子助成金(最大300万円)、または住宅再建給付金(最大200万円)+家財支援(最大100万円)に加え、▽被災者生活再建支援金(最大300万円)▽二重ローンの負担軽減(最大50万円)▽仮設住宅などからの転居費用助成金(一律10万円)―1世帯あたり最大合計600万円を支給する。
他に、民間賃貸住宅入居希望世帯には、契約初期費用(敷金・礼金など)として一律20万円を支給。公営住宅入居希望世帯には、初期設備費用(照明・コンロ・給湯器など)として一律10万円を支給する。あわせて最大100万円の家財支援金も支給される。家財支援には自動車分の定額50万円も含まれる。
工務店・メーカーからプランを募集
また、県や建築関係団体で構成される21世紀住まいづくり協議会の主導により、住宅メーカーや工務店などから復興住宅の設計プランを募集。年度内に「いしかわ型復興住宅のモデルプラン集」としてまとめる。プラン集作成に先立って12月に中間報告を行う。
募集テーマは「地域とつながる新たな能登暮らし」。①コミュニティの形成、②景観への配慮、③気候(雪・雨)への配慮、県産材の積極的な活用などの地域特性、④住宅の基本性能(耐震性・環境負荷・バリアフリーへの配慮)、⑤コンパクト化によるコスト軽減―の5項目を満たしたモデルプランにより、住宅再建希望者に具体的な住まいイメージを提案する。
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