帝国データバンク(TDB、東京都港区)が9月4日公表した、2024年8月の景気動向調査結果によると、景気DIは前月比0.5ポイント増の44.3となり、2カ月連続で改善した。「建設」のDIは47.3で、同0.4ポイント増と3カ月連続で改善している。全国的な猛暑と地震・台風の影響を受けながらも、冷房設備工事の需要拡大や自然災害に備える駆け込み需要が景気を支えた。
今後の見通しは、外国為替レートの動向や米大統領選の行方など、海外で不透明な要素があるものの、人手不足に対応するための自動化や生成AIの普及、半導体の需要増加などにより、景気は底堅く推移すると予想している。
「建設」では、インバウンド需要やラピダス半導体工場(北海道)をはじめとした大規模な設備投資案件が景気を押し上げた。さらに猛暑による冷房工事や災害対応のための特需、再エネ工事の増加などもプラス材料となった。その一方で、「発注量に見合う職人や現場監督者が確保できず、新規受注ができない」といった意見が複数見られた。「新築住宅で資材・燃料価格の高騰と住宅ローン金利の先高感から買い控えの状況がさらに悪化している」(木造建築工事)との声も上がっている。
企業規模別では、「大企業」(DI:48.2)は前月からほぼ横ばい。「建設」で住宅金利の先高感から新築住宅の買い控えの傾向が見られた。「中小企業」(43.6)は0.7 ポイント増となり、2カ月連続で改善。建設案件への受注機会の増加が「製造」の改善に寄与した。
地域別では、「北関東」「九州」など10地域中9地域が改善し、「東海」のみ悪化。「北関東」(42.1)は、活発なリフォーム需要が中小企業の改善の一因となった。「九州」(47.3)は8県中5県が改善、3県が悪化するなど明暗が分かれた。「建設」では都市開発や工場の建築、設備投資が景気を押し上げた。「東海」(43.7)はマンション建設や観光が押し上げ要因となったが、自動車の減産や夏の繁忙期に直撃した台風や地震の影響を受けた。
「駆け込み需要続く」と期待
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