厚生労働省は9月2日、2025年度の予算概算要求のうち、建設業の人材確保・育成に向けた取り組みについて公表した。建設業を支える担い手の確保が急務となっていることから、若者や女性の建設業への入職や定着などに重点を置く。さらに担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体化して進める。
「CCUS活用促進コース」を創設
建設業の人材確保に向けた予算では、▽建設事業主への助成金:69億円▽ハローワークでの人材不足分野へのマッチング支援:50億円▽若年者への「つなぐ化」事業:2900万円▽高校生に対する職業理解の促進:1900万円―などを計上。
建設事業主への助成金では、雇用管理改善や人材育成に取り組む中小建設事業主に対し、経費や賃金の一部を助成。「建設キャリアアップシステム(CCUS)活用促進コース(仮称)」を創設し、CCUSを活用した雇用管理改善を推進する。マッチング支援では予算枠を拡大し、雇用吸収力の高い建設などの分野への入職支援を強化する。
「つなぐ化」事業では、若年者の建設業に対する理解や定着を図るため、高等学校(工業科・普通科)や高等専門学校を対象とした出前授業や現場見学会を実施。他に、多様な業種の職業理解を進める取り組みの一環として、建設業界団体や地元企業による企業説明会を実施する。
一人親方がいる現場への巡回も
人材育成に関する予算では、▽中小建設事業主への支援:4.9億円▽建設分野におけるハロートレーニング(職業訓練):1.3億円▽ものづくりマイスター制度による若年技能者への実技指導:24億円―などを盛り込んだ。ハロートレーニングでは、建設機械の運転技能だけでなく、パソコンスキル講習などと組み合わせたトレーニングを行う。
魅力ある職場づくりに関する予算では、一人親方の処遇改善に向けた施策を実施(予算1.1億円)。一人親方に対する安全衛生教育、一人親方が入場している工事現場への巡回指導を行う。他に足場からの墜落・転落災害の防止対策として、専門家による診断・指導を実施する(予算8700万円)。
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