住宅金融支援機構は、10月から「フラット35」の審査に「AI審査モデル」を導入することを発表した。投資目的の利用や住宅購入価格水増しなど、不適正な申込みを検知し、不適正利用防止を強化するもの。これにより審査を効率化し、利用者の負担軽減や利便性向上を図る。
「AI審査モデル」では、これまでに同機構が取得・蓄積してきた「フラット35」の申込内容や、不適正利用事案の情報、個人信用情報、インターネット上の情報をAPI連携により外部から取得。 その情報を基にAIが総合的に審査を行う。加えて、最新の不適正利用事案の情報を活用したAI審査モデル学習を実施する。
同機構がこれまで活用していた機械審査システムでは、不適正利用の懸念がある申込事案を職員が審査していた。このため総合的な判断に時間を要していた。今回、「AI審査モデル」を導入することで審査の精度が向上するだけでなく、審査スピードも改善される見込み。
不適正利用防止を強化
同機構では「フラット35」での不適正利用を防止するため、取扱金融機関に対して不適正利用事案に見られる特徴などの情報を毎年提供。2018年度から公式ホームページや新聞広告などで「フラット35」が投資用物件には利用できないことを周知してきた。
さらに不適正利用事案に見られる特徴を踏まえて審査を強化。22年度から借入申込内容に懸念点がある利用者に直接確認を行う仕組みを導入している。また、23年度には「フラット35」の適正利用を推進するための専門部署を設置した。
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