床材のみ、階段の過半以下の改修は「大規模」に該当せず

国土交通省住宅局は8月28日付で、各都道府県に「床及び階段の改修に関する建築基準法上の取扱いについて」（国住指208号）、関係団体に「床及び階段の改修に係る設計・施工上の留意事項について」（同209号）をそれぞれ発出した。床の仕上げ材のみ、および階段の「過半に至らない範囲」の改修は大規模修繕・模様替えに当たらず、確認申請は不要との見解を示した。

現行の建築基準法では、主要構造部の過半以上を改修する修繕（大規模の修繕）および模様替え（大規模の模様替え）を行う際は確認申請が必要。2025年4月の建築基準法改正（4号特例の縮小）後は、大規模の修繕・模様替えでも確認申請時に構造審査を受けることになり、現行基準への適合が求められる。

今回の通達では、床は下地、剛床工法なら構造用合板を触らなければ大規模の修繕・模様替えに該当しないものと取り扱ってよい旨が示されている。また、既存の床材をそのままにして上から新しい床材を施工する場合も、同様に確認申請は不要だとした。

階段の「過半に至らない範囲」の改修は、上り位置の変更を例として提示。また床と同じく、既存階段の踏面の上に新しい仕上げ材を被せる改修も大規模の修繕・模様替えには該当しないとして差し支えないと示している。なお、床、階段のいずれも「あくまでも例であり、実情に応じて判断すること」としている。

屋根・壁も改修内容を通達　構造や防火性には注意

国交省はこれまでに屋根（2023年3月31日付国住指第595号）、外壁（2024年2月8日付国住指第 355号、356号）の改修について通達を発出し、大規模の修繕・模様替えに当たらない改修内容を示してきた。屋根は・・・

この記事は新建ハウジング9月10日号1面（2024年9月10日発行）に掲載しています。