矢野経済研究所(東京都中野区)は9月3日、国内住宅リフォーム市場の調査結果を発表した。2023年の市場規模は、前年比0.6%増の7兆3575億円と推計した。新型コロナが5類に移行し、リフォームなどの内向き消費から旅行・外食などの外向き消費にシフトしたことで、リフォーム需要は減少傾向で推移。一方、資材費・人件費などのリフォーム工事原価の上昇や、高付加価値リフォーム需要の増加により工事単価が上昇し、市場規模は前年比横ばいから微増になったと推察した。
分野別では、「増改築に関わる費用」(10㎡超+10㎡以下増改築工事)が前年比5.2%増、「設備修繕・維持管理費」が同0.3%増、「家具・インテリア等」が同0.6%減となった。
リフォーム市場では、関連事業者の営業人員数と売上高は比例するが、採用環境は新卒・中途ともに厳しく、人員確保や人材育成が課題となっている。このため、多くの事業者がワークライフバランスの向上や多様な働き方への対応でさまざまな制度を導入。また、各種システム・ツール等を活用し、業務効率化と提案力強化による顧客単価向上に注力する動きがみられる。
2024年の市場規模は、前年比3.2%減の7.1兆円と予測。原価上昇や高付加価値リフォームの需要増により、リフォーム工事単価は上昇傾向が続く見込みだが、コロナ禍で増加したリフォーム需要は減少。市場規模は縮小する見通し。
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