地域工務店によるデザイン性の高い家づくりをサポートするARC style(アークスタイル、静岡県富士市)は、建築を学ぶ全国の学生(高校~大学院)を対象に初めて開催した「第1回 ARC style 木造住宅コンペティション」の結果を発表した。「首都圏から静岡県富士市へ移住を希望するご家族に向けた木造住宅のご提案」をテーマに設計プランを募集した同コンペには全国から49作品の応募があった。7月22日~26日にかけて審査を行い、最優秀賞や優秀賞など各賞を決定した。
最優秀賞は、広島大学工学部・第四類建築プログラム4年の齋藤翔太さんと同大院先進理工系科学研究科・建築学プログラム2年の高尾耕太朗さんによる共作「くらいから、よくみえる」が受賞。
同コンペは、アークスタイルが全国展開するVCに加盟するパートナー工務店の経営者らが審査員を務めているのが大きな特徴で、同作品に対して各審査員から「富士山の景色を見えるような間取りを最優先しつつ、高いデザイン性を実現しながら、室内をあえて暗くすることで外の景色が際立つようにしたプランが秀逸」と称賛の声があがった。受賞した齋藤さんと高尾さんの2人は「地方移住者の新たな暮らしや環境に寄り添ったコンセプトに共感してもらえてうれしい」と喜びながら、「この経験を糧にこれからも誰かのためになる創作活動を続けていきたい」と今後の抱負を語った。
同コンペは、地域工務店(アークスタイル・パートナー工務店)がデザイン力・設計力を競い合う「ジャパン・デザイナーズハウス・アワード」を毎年、開催している同社が、
「学生たちの創造力と建築への情熱を刺激し、次世代の建築業界を担う才能あるデザイナーを発掘する」ことを目的に初めて開催。
主催者で同社社長の星野貴久さんは「初回にもかかわらず全国から49作品ものご応募があり、新しい住宅デザインを創造しようとしている意識が高い学生さんの多さに驚いた」と感想を述べながら、「このコンペをきっかけに地域の工務店がデザイン、性能に優れる良質な住宅を手がけていることを知ってもらい、できることなら工務店で学生さんに能力を発揮してもらいたい」と期待する。
同コンペでは最優秀のほかに、優秀賞、審査員特別賞を1作品ずつ、佳作5作品、奨励賞10作品を選出。来年も開催する予定だ。今回の審査結果については専用ウェブサイトで公開している。
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