外壁に湿式仕上げを採用する場合、久保田さんは通気構法の採用を勧める。通気層がないと、外壁のクラックから入った水が毛細管張力によって家の内部に浸入しやすくなるからだ。今回は、湿式仕上げの外壁に通気層がない場合、どのような雨漏り事象が生じるか、事例を通じて説明する。調査や修理について、この考え方や処置は幅広く参考になるはずだ。
湿式仕上げの外壁では毛細管張力による雨漏りに注意。新築時には通気層の設置を!
今回、取り上げるのは築18年ほどの住宅だ。依頼者は、この建物を中古物件として購⼊。その後ほどなくして⾬漏りが起きたのだという。
依頼者によれば、大雨ののちに⽞関ホールの窓枠が濡れていたため、雨漏りに気がついたとのこと[図1、写真2]。
雨漏り発見! 1階東側の玄関ホール腰上窓から雨水が浸出した | |
[写真2]家の東側の外壁に水がかかると、サッシの内側に水が出てきていた |
ただ、毎回⾬漏りをするわけでもない。東側に強い雨がかりがある際に雨漏りが起きているようだった。また、浸出箇所である窓枠は腐朽しておらず、変⾊もなかった。そのため、いつから浸⼊していたのかも見当がつかないという状態であった。
浸入箇所や原因の特定を意識して散水調査にのぞむ
第⼀浜名建装に相談が入る前、建築⼠による検証が⾏われ、2階のアルミ製バルコニーの⼿すり部分からの浸⼊が確認されたという。しかし・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー9月号(2024年8月30日発行)『リノベ市場[超最前線]ささっとガイド』(P.72〜)でご覧ください。
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