あのオーガニックスタジオ新潟(新潟市)が、初めてマンションリノベーションを手がけた。社長の相模稔さんは、戸建てで培った工務店の地力で、今まで以上に広いニーズを獲得できる可能性と、それを実現するために必要な取り組みの気づきを得たという。
新築戸建ての空間をマンションに「インストール」
◉同社初のマンションリノベーションは、JR新潟駅から徒歩圏内にあるマンションの1室。築25年の10階にある70㎡の住戸で価格は1800万円。リノベーションの工事費は2200万円
◉設計のコンセプトは「普段の建築スタイルをそのままマンションにインストール」。内装はスタンダードな“木の家”のテイストに。設計は同社の長年のパートナー・山下真さん(一級建築士事務所ma)が担当した
➡戸建てよりも小さく、細部まで目が届きやすいため設計の密度の濃さが重要。造作や照明、設備など戸建て以上に細部をつくり込んだ
➡造作が多くなるため技能レベルの高い大工・職人が必要。今回の事例では掃き出し窓の内窓や障子(建具屋)、室内に露出した梁を隠す収納などを造作した。玄関土間も左官による洗い出し仕上げに
➡言い換えれば、優れた大工・職人を抱えている工務店は強みを持てる分野
➡仮設水道を使えないなど、作業環境には制約が多いが、作業自体は戸建てと変わらない。監督の業務にも大きな変化はない
◉性能向上やプランニングも工務店の強みになる。外気に接する部分には断熱材を施工。また間取りを工夫して通風を確保、回遊型の動線をつくり、戸建てのような空間をつくった
ペルソナは一次取得層と55~60歳
◉建て主はいわゆるDINKs。夫は職業柄通勤の利便性が重要で、妻の職場も新潟駅からバス圏内にある。当初は戸建てを希望していたが、相模さんがマンションリノベーションに誘導
◉相模さんが考えるマンションリノベーションのペルソナは2パターン。ひとつは・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー9月号(2024年8月30日発行)『リノベ市場[超最前線]ささっとガイド』(P.66〜)でご覧ください。
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