中古+リノベーション、買取再販など、ストックビジネスでは重要だが工務店にとっては意外と縁の遠い分野が不動産だ。今年で創業40周年を迎える旭ホームズ(広島県広島市)は、OB顧客が持つ不動産情報を、工務店ならではの家守り活動を通じて自社の事業に生かすことに取り組む。
不動産は一度「捨てた」分野
◉旭ホームズは1984年創業。現社長の末岡京子さんが2代目だ。社員は8人(役員3人、社員4人、パート1人)。経営理念は「建設業とは信用積立業」
◉2023年度(40期)の実績は注文住宅4棟、リノベーション3件、リフォーム79件、メンテナンス72件、不動産5件。年間150~200件程度が平均的な数字
◉創業者である末岡さんの父が宅地建物取引士の有資格者で、創業から約20年間は注文住宅やリフォーム・メンテナンスと並行して分譲(建売)住宅を手がけていた
◉住宅取得者の趣向の多様化に伴い、20年ほど前から新築は高性能な注文住宅に特化し、分譲住宅からは手を引く。不動産を「捨てた」時期
➡リフォーム・メンテナンスは継続。新築に特化しようという意見も出たが、工務店として家守りも重要と判断した
◉今後は新築需要が減少すると予測し、2019年ごろから性能向上リノベーションへの取り組みを開始。今年4月には事業再構築補助金を利用してリノベーションのモデルハウスを開設
➡リノベーションが本格化していくと不動産も必要になると感じ、2023年度から、一度は「捨てた」不動産事業を復活させた
広島の住宅市場
◉同社は広島市郊外の五月が丘団地にある。広島市内中心部までは30分圏内。広島市内には広い平地が少ないため、同じように山を宅地化した「団地」が多い
➡50坪前後で2000万円を超える土地も。コロナによって郊外の土地の需要が跳ね上がったため・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー9月号(2024年8月30日発行)『リノベ市場[超最前線]ささっとガイド』(P.64〜)でご覧ください。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。