国土交通省は8月28日、非常に強い台風10号が九州南部に接近していることに伴い、台風に関する情報や災害への必要な備え、留意事項などを発信した。
台風10号は28日から29日にかけて九州南部に接近。その後九州に上陸し、日本列島を縦断する予想。中心の気圧は935ヘクトパスカル(※14時時点の気象庁データ)で、これまでに経験したことのないような暴風、高波、高潮、記録的な大雨になることが予想されている。28日中に東北・東海、九州・奄美地方で大雨になる可能性が高く、29日には近畿、四国などでも雨が強まる見込み。
14時時点で最大瞬間風速70m/sを観測しているが、目安として50m/sで走行中のトラックが横転、樹木や電柱・街灯、ブロック壁の一部が倒壊、外装材が広範囲にわたって飛散、60m/sで住家の一部が倒壊、鉄骨構造物で変形するものがあるとしている。
こうした暴風雨に備えて自宅や職場などでは、①屋外にある物干し竿や植木鉢などを屋内に入れる、②窓や雨戸に鍵をかけ、必要があれば補強する、③側溝や排水溝を掃除する―ことを推奨。風雨が強まる前の早めのタイミングで対応することが求められる。
大雨への対策では、ハザードマップにより周辺の土砂災害警戒区域や浸水想定区域などの命に危険が及ぶおそれがある場所をあらかじめ確認しておくこと、気象庁が提供する「キキクル」(危険度分布)のマップを使って、その時々の土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度を把握しておくことを勧めている。
たとえ大雨がやんだとしても、時間差で増水や土砂災害が発生することがあるため、避難先から家に戻る際には自治体の避難情報や気象情報を確認してから帰宅するようにと注意している。
事前のダム放流に注意を
大雨が予測される場合、雨が降る前や雨がやんだ後にダムの水を放流することから、下流域では常にサイレンなどの防災情報に耳を傾け、ダムが流量を抑制している間に避難する必要がある。28日5時時点で事前放流を行っているダムは、立花ダム(宮崎)、野村ダム(愛媛)、長安口ダム(徳島)、樽床ダム(広島)、笹間川ダム(静岡)など51ダム。他にも127ダムで事前放流の基準に達したため、順次放流を開始している。
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