「みんなのオフグリッド研究所」として、オフグリッド住宅に取り組むカメプラン一級建築士事務所による2棟目のオフグリッド住宅が完成した。今回は、蓄電池を将来設置する想定の“オフグリッドReady”だ。オフグリッドのカギである断熱等級7も外張り断熱だけで達成でき、同社の大出達弘さんは「一つの型」になる手応えを得たという。【編集部 荒井隆大】
2棟目のオフグリッド住宅「ヌックぬっくの家」は、延べ床面積28.55坪の木造平屋建て(ロフトあり)。施工は天野保建築(山梨県富士吉田市)が担当した。
オフグリッドを実現するには、断熱性を高めて暖冷房負荷を軽減することが最も重要だ。ヌックぬっくの家の場合、暖冷房の消費電力は年間968kWhで一般的な住宅の4分の1程度。住宅全体の電力消費量は年間4849kWhと、一般家庭(1万47kWh)の50%以下で生活できるという。
同社初のオフグリッド住宅「オフグリッドな我が家」は、東京都内の住宅地で斜線制限があったため太陽光発電の容量に限りがあったが、今回は規制がかからなかったことから、9.975kWと住宅用の限界まで大容量化した。給湯器は、1棟目では太陽熱併用型エコキュートを採用したが今回はシンプルにおひさまエコキュートを選択した。
今なら蓄電池の設置費も10年以内で回収できる?
ここに13.8kWの蓄電池(テスラ・パワーウォール)を導入することで、オフグリッド率は96.7%に。計算上は年間で16.79日は停電が発生するため、年間160kWhは系統から購入する必要がある。電力料金の単価を38円/kWhとすると、電力会社へ支払う電気料金は年間6086円となる。
一方、自家消費量(4674kWh)を、系統から購入したとすると金額は・・・
この記事は新建ハウジング8月30日号9面(2024年8月30日発行)に掲載しています。
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