住宅、職場・学校など居場所を問わずに電化製品があふれ、常にそれらに囲まれた環境にいることが当たり前になるなか、「電磁波」による健康被害のリスクを指摘する声もある。そんななか、このほど新潟県村上市で、働く人の健康や快適性の確保、疲労・ストレスの軽減などに配慮し、省エネ性や温熱環境の向上に加えて電磁波対策も施した「オールアースオフィス」が完成した。【編集部 関卓実】
ストレスフリーなニューノーマルの働き方を可能にする次世代型オフィスとして完成したのは、公共土木工事などを中心に手がける建設業・二野建設の本社だ。木造2階建て(在来工法)、延べ床面積163㎡で、耐震性能は許容応力度計算による耐震等級2、断熱性能はHEAT20・G1レベルのUA値0.5W/㎡Kとなっている。
電磁波を浴び続けることにより、「交感神経が過剰に刺激され、血管が収縮して血流が悪くなったり、脳をはじめ主要な臓器へのエネルギー供給が不十分になり、疲れや気だるさ、記憶力の減退、冷えなどの症状を引き起こすことがある」といった見解も示されるなか、同オフィスのプランニング・設計、工事監理を手がけたマルジ(新潟市)代表の畔上陽子さんが、二野建設社長の二野一寿さんと二野社長の妻で同社取締役のルミさんに電磁波対策の導入を提案。新しいオフィス建設にあたり「建設業にプライドを持って働いてほしい。地元の若い人たちに興味を持ってほしい。そのためにも社員が健康で快適に働きながら、未来に向けて新しい発想も生まれるような環境を整えたい」という思いを持っていた一寿さんとルミさんが導入を即決した。
EMFAの推奨工法を採用
畔上さんは、新潟市内で設計事務所・エヌスケッチを営みながら、日本電磁波協会(EMFA)が認定する「電磁波測定士(1級)」としても活動する井口哲一さんのセミナーを聞いたことがきっかけで電磁波による健康被害とその対策について意識を高めた。電磁波対策を取り入れた設計としては今回が初めてだったこともあり・・・
この記事は新建ハウジング8月30日号3面(2024年8月30日発行)に掲載しています。
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