フォレスト建築研究所の小椋祥司さんは、現在日本の住宅が置かれた環境を踏まえ、新構法「新木造×長寿命100年住宅」を開発し、特許を取得した。在来工法をベースに、躯体の外周壁(構造体、耐力壁)を二重にすることで耐力に余裕を持たせ、高断熱化への対応も容易に。小椋さんは「技術的なハードルも低いので、よりオープンな形で普及させたい」と話す。
小椋さんが開発にあたり重視したのは“冗長性(リタンダンシー)”。もともとの性能が低い住宅は、経年劣化でさらに性能が低下し、30年前後で建て替えする羽目になってしまう。小椋さんは「人が100年も生きる時代。住宅も100年維持できなくては資産価値が保てない」と話す。木材の伐採周期と建て替え周期が一致すれば、国産材・地域材の利用促進にもつながると見ている。
二重の外周壁は、出雲大社でも用いられている束ね柱や、合わせ梁で構成。多雪地域などでは内部の梁とそれを支える柱も二重にする。調達しやすく、安価に入手できる一般流通材を前提にしており、例えば柱は105㎜角2本(四隅は4本)を標準としている。
耐力要素は・・・
この記事は新建ハウジング8月30日号2面(2024年8月30日発行)に掲載しています。
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