国土交通省は、住宅金融支援機構が提供する固定金利型住宅ローン「フラット35」について、金利優遇措置の対象を拡大する方向で検討している。省エネや耐震性に優れた住宅を取得した人の金利を引き下げる措置は現在、新規契約のみが対象だが、変動金利型ローンからの借り換えも新たに加える。2024年度内にも実施する。
現在は住宅ローン契約者の8割が変動型を選択している。ただ、日銀の追加利上げにより、今後は返済額が増える懸念からフラット35への借り換えが進む可能性がある。
借り換えをする場合でも金利を優遇することで、これから家を建てる人や中古住宅を購入する人に、質の高い住宅を選んでもらうのが狙い。高品質な住宅の需要が増えれば、住宅会社などが省エネ性能などを重視した物件の供給を増やすことも期待できるという。
フラット35の中には、省エネや耐震性、バリアフリーなどの基準を満たす住宅について、新規契約時の金利を一定期間優遇する「フラット35S」がある。太陽光発電などを活用してエネルギー消費量を実質ゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」であれば契約から5年間は0.75%引き下げている。
ただ、変動型からフラット35に借り換えた人は対象外となっている。今後は、基準を満たす住宅であれば借り換えでも新規契約と同等に優遇する方針で、引き下げ分の原資の一部として、国費の投入も検討している。
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