大建工業(大阪市)はこのほど、新たな音響技術の開発設計拠点「音環境ラボラトリー(音ラボ)」を、8月20日に同社岡山工場の敷地内にて建設着工したと発表した。敷地面積は1170㎡。2025年10月に竣工・運用開始予定。総投資額は、建屋工事や新規の実験設備等を含め約13億円となる見込み。
鉄骨造・2階建ての「音ラボ」は、建築材料や構造の基本的な音響性能を測定する「残響室」「無響室」「箱型実験室」や、構造躯体にCLTを用いた「木造実験室」を備え、音に関するさまざまな機能や性能の実験・評価が可能。測定・分析技術の向上に取り組むとともに、より高性能な建築音響製品や音響メタマテリアル、新素材の開発に向けた研究を進めていく。
「木造実験室」は、同社初のCLTパネル工法の実験室。今後、普及拡大が予測されるCLT造の公共・商業建築物など、木構造空間での音に関するさまざまな技術開発に活用する。
音が響かない「無響室」や音が良く響く「残響室」では、音の拡散や遮音性能を測定。多様な音響設計、測定が可能で、「無響室」では音がもたらす心理現象の実験にも活用できるという。住宅の上下階を再現した「箱型実験室」は、床衝撃音等の検証が可能。RC構造のほか、さまざまな床構造に変更して幅広い実験を行うことができる。
各実験室には最先端の実験・測定装置を設置し、より高性能な「建築音響製品の開発」や「音環境の可視化」、あらゆる建築物の音響設計が可能となる「シミュレーション技術の向上」など、音の技術開発力を強化。住宅・非住宅問わず、顧客の幅広い要望に対応する。
同社は、1月に「新・音響実験棟(仮称)」の建設計画(総投資額10億円程度)を発表。今回、正式名称を「音環境ラボラトリー(愛称:音ラボ)」に決定した。
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