不動産経済研究所(東京都新宿区)は8月20日、7月の首都圏と近畿圏の新築分譲マンションの市場動向を公表した。首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の発売戸数は1496戸(対前年同月比42.3%減)で、神奈川県を除いてマイナスとなった。大型物件の発売が後ずれしたことで、23区(609戸・60.5%減)などが大幅減となった。戸当り平均価格は7847万円で前年同月比2093万円(21.1%)減と2カ月ぶりに下落。1㎡当り単価は120.3万円で同24.6万円(17.0%)減と2カ月ぶりに下落した。
初月契約率は70.9%(前年同月比3.9ポイント減)で3月以来の70%台となった。7月末時点の販売在庫数は5300戸(前月末比118戸減少)と7カ月連続で減少。フラット35登録物件戸数は1313戸で全体の87.8%を占めた。即日完売物件は5物件71戸。超高層物件(20階以上)は12物件・368戸で契約率は72.8%だった。
東京23区の平均価格は1億874万円(18.5%減)、㎡単価は167.0万円(12.9%減)、埼玉県の㎡単価は71.6万円(2.8%減)と下落したが、それ以外は平均価格、㎡単価ともに上昇した。
8月の発売戸数予測は1500戸程度の見込みとした。
近畿圏の供給戸数は2021年以来の高水準
近畿圏(大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山)の発売戸数は1524戸(対前年同月比82.1%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。郊外大規模物件の影響で、供給戸数は7月としては2021年(1950戸)以来の高水準となった。戸当り平均価格は4975万円で前年同月比213万円(4.1%)減と3カ月ぶりに下落。1㎡当り単価は78.6万円で同2.1万円(2.6%)減と9カ月ぶりの下落となった。タワーなど高価格・高単価物件の比率が低く、価格・単価のダウンにつながった。
初月契約率は82.2%(前年同月比15.5ポイント増)と好調で、2カ月連続70%超えとなった。7月末時点の販売在庫数は2548戸(前月末比103戸減少)で圧縮傾向が続く。フラット35登録物件戸数は1004戸で全体の65.9%を占めた。投資用物件は2物件144戸。即日完売物件は3物件3戸。
大阪市部の平均価格が4625万円(12.9%減)、㎡単価が89.7万円(0.6%減)、兵庫県下の平均価格が4746万円(22.7%減)、㎡単価が71.8万円(13.6%減)、京都府下の平均価格が5052万円(4.9%減)、㎡単価が64.8万円(11.1%減)と下落したが、それ以外の平均価格、㎡単価は上昇した。
8月の発売戸数予測は900戸程度の見込みとした。
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