東京商工リサーチが8月8日発表した7月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比25.7%増の953件となり、28カ月連続で前年同月を上回った。円安や原材料高に伴う物価高騰を要因に、価格転嫁が難しい中小企業の倒産が増加した。
負債総額は約4.8倍の7812億円。航空機開発製造のMSJ資産管理(旧三菱航空機)が負債6413億円を抱えて倒産したことが、全体を押し上げる原因となった。
産業別ではサービス業が18.3%増の310件と最多を記録。うち、飲食業や医療・福祉事業の倒産が目立った。全体の倒産件数のうち、コスト上昇分を価格に反映できない「物価高」が原因の倒産は18.9%増の69件。下請け色の強い建設業や製造業などで倒産が際立った。
日銀が追加利上げしたことで、借入金利の上昇が想定されている。商工リサーチは「金利上昇は多くの企業で収益を下押しするため、秋以降に倒産が増えるだろう」と分析している。
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