弁護士・秋野卓生さんが、工務店が知っておくべき法律知識を毎月20日号で解説する本連載。工務店を取り巻く環境が厳しくなる中、企業を立て直すための法的な手続きや心構えについて解説します。
経済産業省による事業再構築小委員会の立ち上げ
皆様は、今、経営難に陥った企業の債務を、債権者の多数決で私的整理できる法制度を新しく設けようとしている国の動きをご存じでしょうか?
経済産業省は、令和6年6月28日、産業構造審議会の経済産業政策新機軸部会の下に「事業再構築小委員会」を立ち上げ、債権者の多数決で私的整理できる法制度を構築し、早ければ2025年の通常国会に法案の提出を目指しています。
全債権者の同意を取り付けることは極めて難しい
経営難に陥った企業を私的に救済する手続きとしては、事業再生ADRがあります。しかし、私的整理では、全債権者の同意を取り付けなければならず、これが極めて難しいのが実情です。
住宅会社の場合、債権者となる全協力業者の同意を取り付けることは現実的ではなく、匠総合法律事務所では、過半数の債権者の同意があれば再建できる民事再生手続きを活用して住宅会社を救済してきました。
“病院に入院する”というイメージを持ってほしい
「民事再生」と聞くと、経営難の企業が倒産したというイメージがありますよね。生き残りをかけた競争に負けた企業を淘汰するといったイメージを持つかもしれません。
しかし、住宅会社は・・・
この記事は新建ハウジング8月20日号12面(2024年8月20日発行)に掲載しています。
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