経営上のボトルネック解消をめざす工務店の経営者を対象に、新建ハウジングが主催した「工務店経営鍛錬塾」。終了から半年が経った7月24日、ANDPADコミュニティースペース(東京都千代田区)で当日の講師と受講経営者が集まったイベント「学びの成果報告会」が開催された。受講者12人、講師4人が参加し、塾を経て新たに取り組んでいることなどを報告した。
同塾は、住環境価値向上事業協同組合(SAREX)のメンバーが講師となり、新建ハウジング読者の若手工務店経営者を対象に、講師工務店によるオンライン座学と現地視察を通じて建築や経営を学んだ。講師は、オーガニックスタジオ新潟(新潟県新潟市)、あすなろ建築工房(神奈川県横浜市)、小林建設(埼玉県本庄市)、シンケン(鹿児島県鹿児島市)4社が務めた。
同塾は、小さな工務店の経営者から取り組みを見聞きする中で、自社の強みに偏らずに、「経営・組織」「設計・施工」「商品力」「情報発信・営業」と多様な経営要素をバランスよく実践してボトルネックを解消した工務店が成長する、という洞察に基づき、小さな工務店の経営者に最低限求められる要素を実践した上で、建築・ものづくりに没頭できるような段階をめざす塾として開催。小さな工務店が取り組むべき要素を4テーマ98項目の「経営達成度チェックリスト」にまとめ、受講者はこのチェックリストで自社の実践で不足している箇所を把握し、意識して実践できる。
受講後の進捗を報告
塾長から激励の言葉も
前半の成果報告会では、塾での学びを踏まえ、各社がいま取り組んでいる挑戦について、経営者自身が発表した。各受講者の実践に対して、講師の4社から感想やアドバイスを受けた。そのほか後半では、各受講者が自ら撮影した自社物件のルームツアー動画を視聴しながら、自社の家づくりの強みや、さらに一歩進化するための改善案について意見交換した。
塾長として他の講師とともに受講者らを見守ってきたオーガニックスタジオ新潟社長・相模稔さんは「われわれ工務店が目指すべきは町中華のような姿ではないかと最近感じる。あの店に行けば安心しておいしい料理が食べられる、と地域の人に思ってもらえるよう、日々精進していきましょう」と参加者を激励した。
この記事は新建ハウジング8月20日号7面(2024年8月20日発行)に掲載しています。
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