国民生活センターは、「点検に来た」と言って来訪し、不安をあおって商品やサービスを契約させる「点検商法」が増加傾向にあるとして注意を呼び掛けている。「訪問販売で契約をせかされて不要なリフォーム工事をした」などといった相談も年々増えているという。
訪問販売によるリフォーム工事(屋根工事、壁工事、増改築工事、塗装工事、内装工事)に関する相談は、2021年に9756件だったところ、22年は1万99件、23年は1万1861件に増加。今年に入ってから1308件(前年同期は1246件)の相談があり、すでに例年のペースを上回っている。
最近の事例では、突然訪れた業者に「屋根瓦が落ちそうだ」と言われ、高額な屋根工事の契約。工事後に知り合いに確認してもらったところ、ずさんな工事が行われていたため無償で解約したいという相談があった。他にも、住んでいるマンションで工事を行うという業者が来訪し、給湯器・浴室などのリフォーム工事を契約したが、クーリング・オフしたいという相談も寄せられている。
また、点検商法に関する相談は、2021年に7435件、22年には8165件、23年は1万2510件、今年に入ってから1760件(前年同期は1092件)寄せられた。最近の事例では、「通気口の点検をする」と業者の訪問を受け、通気口フィルターを契約したが、金額の説明に偽りがあったことからクーリング・オフしたいというものがあった。
これまでの傾向では、契約当事者の7割以上が70歳以上であるなど、高齢者がトラブルに巻き込まれるケースが多数を占めている。手口としては、不安をあおって高額な商品を契約させる方法や、電話口で「自治体から委託を受けた」「契約中のガス会社から依頼された」などと身分を偽るケースなどが見られるという。
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