矢野経済研究所(東京都中野区)は8月6日、国内の住宅設備機器市場の調査結果を発表した。2023年度の主要住宅設備機器(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+創エネ関連設備機器)の市場規模は、前年度比2.3%増の1兆9868億円と推計した。
新設住宅着工戸数の減少は、中長期的に同3分野の成長に影響を及ぼすとみられるが、2023年度は原材料費高騰に伴うメーカーの価格改定効果や再エネ由来電力の自家消費需要の拡大がプラス要因となり、水まわり設備機器市場は前年度比2.2%増、創エネ関連設備機器市場は同8.1%増となった。一方、水まわり関連設備機器市場は、コロナ禍の巣ごもり需要の減少や流通在庫の増加などが影響し同1.5%減となった。
今後の住宅設備機器市場は、高効率給湯器が成長を牽引すると予想。2030年度以降の新築のZEH水準義務化や太陽光発電設備の設置率6割、2025年4月には新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務化されるなか、高効率給湯器の普及促進が課題となっている。電気のムダを防ぎ、太陽光発電の余剰電力を活用できるエコキュート、ハイブリッド給湯器の市場は、再エネの普及促進とともに拡大していくとみられる。
2024年度の市場規模は、前年度比3.0%増の2兆471億円と予測する。水まわり設備機器市場は、価格改定の効果が継続し、前年度比2.0%増の1兆735億円と予測する。水まわり関連設備機器市場は、同5.5%増の5719億円と予測。流通在庫が解消し出荷ペースが回復するとみられるほか、子育てエコホーム支援事業や給湯省エネ事業など補助金制度により、食器洗い乾燥機や浴室暖房乾燥機、高効率給湯器などの販売の押し上げ効果が期待されるとした。創エネ関連設備機器市場は、伸び率は鈍化するものの、住宅用太陽光発電システムや家庭用蓄電システム市場が伸長し、同2.3%増の4017億円と予測する。
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