アサノ不燃(東京都江東区)は、硬質ウレタン断熱材の表面に「不燃木粉パック」を重ねることで、国土交通大臣不燃材料認定基準の性能を満たすことを確認。今後、正式な不燃認定の取得を予定している。
ウレタン系断熱材は、省施工で高い断熱・気密性を長期間維持できるメリットがある一方、ひとたび引火すれば有毒ガスが発生し、建物火災の場合は内部でくすぶり、一気に燃焼するリスクもあるという。
そこで同社は、硬質ウレタンの防火性能を高める開発を2022年から開始。
最初のアプローチとして、専用薬剤を硬質ウレタン表面に塗布する技術を開発し、プラスチック材料の難燃性を評価するUL94規格において、最も難燃性が高い「5V-A」を第三者機関で確認した。
次に、目指すべき防炎性能を国土交通大臣不燃材料認定基準に定め、合板の防炎性能、準不燃材料基準を1つずつクリアしてきた。
今回は、[合板12mmの上に硬質ウレタン23mm、不燃木粉パック10mmを塗布]した試験体を用意し、コーンカロリーメーターによる発熱性試験を行った。その結果、不燃材料認定基準をクリアする性能を有していることを確認。
加熱後、変形や有害な煙・ガスの発生も見られなかった。
なお、試験体に使った同社の不燃木粉には、延焼防止、防腐・防虫・防カビ、燃焼時のCO2発生量の低減--の3つの利点があるとし、一般的な木粉と同様に吸水、消臭、調湿、断熱などの性能も期待できるという。
■コーンカロリーメーターによる発熱性試験(福井県工業試験センター)
不燃木粉パックを塗布した試験体に、約750℃の熱を20分加えて、(1)延焼しない、(2)防火上有害な変形、溶融、き裂、その他損傷を生じない、(3)避難上有害な煙またはガスを発生しないことを確認。
不燃材料の性能基準である総発熱量8MJ/㎡以下に対し、試験体は1.29MJ/㎡だった。
また、不燃木粉パックや硬質ウレタンは黒く炭化するのみで、延焼は認められなかった。
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