松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。今月はおひさまエコキュートによる自家消費を前提にした蓄電池の選び方を解説します。
7月10日号で、蓄電池で元が取れる製品が出てきたという説明をしました。そうすると出てくるのが「だったらおひさまエコキュートはいらないのではないか?」とか「おひさまエコキュートだけで十分じゃないか?」という話です。今回は、そこに対して補足をしておきたいと思います。
まず、年間を通して家電の使用分まで含めて、自宅で使うエネルギーを賄おうと思うと6kW、できれば7kWくらいの太陽光発電が必要となります。最も発電量が多いのは5月です。また、時間的には晴れた日の12時ごろが最も多く発電します。
この瞬間において7kWの太陽光発電だと1時間で約5kWh発電することができます。このとき、蓄電池に空き容量があっても「充電速度」がネックとなって、結局は安い単価で売電せざるを得ない場合が出てきます。[表]にまとめてみましたが、遅い蓄電池だと1時間あたり0.63kWhしか充電することができません。逆に速い機種だと3kWhを超えてきます。一般的に容量が大きいほうが充電速度は速くなります。ただ同程度の容量でも、製品によってかなりの差があるので注意が必要です。
これらの考察からは、充電速度の早い蓄電池+おひさまエコキュートの組み合わせはたいへん有効であるということがわかります。
次に蓄電池の選び方についてです。もちろん・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号8面(2024年8月10日発行)に掲載しています。
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