長野県は7月22日、県住宅審議会を開き、国に先駆けた新築住宅のZEH水準の適合義務化に向けた課題を参加委員で確認した。2023年度の新築住宅のうち、ZEHの割合は約6割で、うち県内工務店が建てた住宅では約5割にとどまるとし、指導や講習の必要性を挙げた。
長野県によると、新築戸建て住宅の施工区分別シェアは、県内工務店が最大の31%で、ハウスメーカーが29%、大手ビルダーが24%、県内ビルダーが16%と続く。しかしそのうちZEH率は県内工務店が約51%と半数なのに対し、ハウスメーカーは約82%、大手ビルダーは約70%、県内ビルダーは約89%で、最も新築シェアの大きな県内工務店が、最もZEH率が低い状況になっている。
この原因について、参加委員からは「小規模工務店などでは『高断熱・高気密』をうたいながらも、実際は仕様規定の数値を満たさない場合もあり、『高断熱、高気密』の言葉があいまいなまま生活者に理解されている傾向がある。一方で気密測定までしっかり行う工務店もあり、省エネに関しては施工精度の差が激しい」との声があがった。
これを受けて「指導や講習会などの強化が必要」とする声もあり、県は・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号6面(2024年8月10日発行)に掲載しています。
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