相羽建設がメンテナンス、リフォームの拠点として2011年にオープンした「あいばこ」。地域に向けたイベントの会場としても多々活用されてきたが、近年、“働く場”としての性格が強まってきたため、デザイナー・小泉誠さんの設計でリノベーションすることに。「暮らすように楽しく働く場」として生まれ変わった。【編集部 荒井隆大】
オープン時のコンセプトは「暮らしを楽しむ場」。建築家・伊礼智さんと小泉さんの設計で、畳スペースにキッチン、浴室もある、リアルな暮らしが想像できる空間をつくった。当時は他に拠点がなかったこともあり、マルシェやワークショップなど地域に開く活動を展開するうえでも重要な役割を担う場となった。
しかし、2020年からのコロナ禍で、イベント開催が難しい状況が続いた。さらにあいばこ(メンテナンス・リフォーム部)のスタッフが10人を超え、バックヤードも手狭になった。思い切って意識を変えようと3年前の2021年、リノベーションすることを決め、小泉さんに相談した。
小泉さんは「あいばこには設計のできる人がいて、僕よりも仲間のことをわかっているはずだから」と、あいばこのスタッフによる基本設計を提案。設計の中村薫さんを中心に、小泉さんと話し合いながら設計を進めたため、完成まで3年を要したものの「新しい働き方が生まれ、スタッフが自ら提案して実行している。空間に合わせて、自然と気持ちもリノベーションされている」(小泉さん)という。
仕事と暮らしが共存する 「くらしごと」
新しいあいばこのキーワードは「くらしごと」(暮らし+仕事)。女性が半数を占め、パート勤務者も多いあいばこの特性を踏まえ・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号2面(2024年8月10日発行)に掲載しています。
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