2021年11月にスタートした、鷲見製材(岐阜市)社長の石橋常行さんによる連載「家はつくらない 心豊かな人生をつくる」は、25回目の今号をもちまして、終了することとなりました。これまでタブロイドやDIGITALにて、ご愛読いただきました読者の皆さま、誠にありがとうございました。最終回となる本稿では、石橋さんが「矛盾だらけの世の中」に対して、自身の見方を示しながら、“大切にすべきこと”を説きます。
今世の中は、イライラしたり、粗探しが趣味の人が多くなっています。相手を言いまかしたり、枝葉の議論ばかりに終始する。冷笑主義がまかり通っている。頑張っている人を嘲笑うかのような風潮がある。
きっと、心に余裕がないのでしょう。
それもそのはずです。世の中は「矛盾だらけ」だからです。
あちらを立てれば、こちらが立たない。そんな状態で、判断も迷うことが多い。
こんな状況が長く続いているからこそ、うっぷんが溜まり、イライラ・粗探しの空気感が増大しています。
今の日本社会を考えてみたとき、しばらくはこの状態が続いていくことでしょう。
しかし、嘆いても変わらない。まずは自分、そして身の回りを変えていくことで、地域や社会が変わっていくかもしれない。
長年お世話になった本コラムが本稿で最終回を迎えます。僕なりのエールを送りたい。
ワクワクできているか?
私が大切にしているのは、「ワクワク感」を意識することだ。
今、ワクワクしていますか?と、問われたら、皆さんはどんな返答をするだろうか?
僕は、常にワクワクしています。
当然、色々と難しい問題や課題もあります。それでも、ワクワクしています。その要因は、「自分の好きなことだけをする」と決めているからです。嫌だな。テンション上がらないな。という事は、ことごとくやりません。
人付き合いも、ワクワクする人と会う様にしています。
しかし、自分自身が何でワクワクするのか?を知らない人が実のところ多い。自分を知らない。
あなたは、何にワクワクするのか?をまずは知ることから始めましょう。
美味しいものを食べている時にワクワクする。
気の合う仲間と過ごしている時間にワクワクする。
今度どこに行こうかな?と、旅行の計画を立てている時がワクワクする。
人それぞれ、色々とあるでしょう。
僕自身は、昼ご飯に何食べようかな?と考えたり、事がうまくいっている自分を想像するとワクワクしたりします。だから、未来ばかりを想像しています。
良い意味で、もっと自分勝手になればいい。自分の意思を尊重すればいい。自分を大切によう。
人に合わせようとしたり、人の顔色を窺っていたりしていては、ワクワクするはずがない。いつも愚痴と文句ばかり言っている人とは付き合わない方が良いでしょう。
もしも、あなたが、「愚痴っぽいな」と自覚していたら、直ぐに改めましょう。ワクワクした人があなたを避けます。まずは自分からワクワク感を前面に出しましょう。
一度しかないこの人生です。能天気に思われようが、僕は、ワクワク人生を送りたいと願っています。
自分をコントロールしよう
そしてもう一つ。
コントロールできないコトに執着しないこと。
天気はあなたの都合でどうこうできない。
一方で、自分自身はコントロールできる。つまり、唯一といっても良い、コントロールできる「自分」をしっかりとコントロールすること。コントロールという言葉は、マネジメントと置き換えても良い。が、コントロールの方が、遊び心があって気に入っている。
アクセルを踏むのも、ブレーキをかけるのも、ハンドルを右に切るのも、左に切るのも、あなたの自由です。つまり、あなたの意思です。目の前に大きな石があれば、よけるでしょう。道を変えるかも知れません。それで良い。
この時代、その大きな石を心許ない道具で大きな石と対峙し、果敢にチャレンジしている人も多い。まぁ僕自身がそういったタイプですが(笑)。
しかし、今の僕は違う。その石をさけ、悠々と脇道を行く。
なぜならば、その大きな石と対峙することが目的ではなく、その先の未来へ一歩進み、自分の夢を実現することが目的だからである。
つまり、目的を忘れたり、見誤ると、コントロールを間違える。先に書いたように、常に、ワクワクを判断軸として、目的を見失わないことがとても大事だ。
混とんとした状況は当分の間続くだろう。明日、何が起こるかわからない。誰がコロナのパンデミック社会を予想しただろうか?
生きていれば、自分でコントロールできないことの方が多い。そんなことばかりだ。
そこに一喜一憂するのではなく、自分のワクワクした感情に素直に向き合い、前に進んで行こうじゃないか。僕の周りには、そういったワクワクした大人たちばかりの顔が浮かぶ。
明けない夜はない
時には落ち込んだっていいし、悔しくて涙を流す日だってあるだろう。生きていれば色んなことがある。僕だってそんな時を過ごしたことがある。
「明けない夜はない」。そんな言葉がある通り、夜は必ず明けるのです。
どんなに長く感じる夜でも、必ず朝が訪れる。これは自然の摂理であり、人生にも当てはまると信じています。困難や苦しみは永遠に続くわけではなく、必ず終わりが来るのです。
だから、こんな混沌としている時代でも、どうか希望を捨てないでほしい。
このコラムも2年8カ月もの間、続けることができた。それも読者の皆さまのお陰です。
長きにわたり、ご愛読いただき誠にありがとうございました。
読者の皆さんの感想がとても励みになりました。工務店の仲間たちから「また石橋節が炸裂してるね〜(笑)」なんていった声が今回も届くのかなと思いながら、筆をおきたいと思います。
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