日本板硝子(東京都港区)は7月29日、同社グループの英国・ピルキントンUK社のグリーンゲート事業所に、グリーン水素製造プラントを設置すると発表した。
新設されるプラントは、水素生成プロセスに再生可能エネルギーを使用し、1日あたり最大7トンのグリーン水素を生成する計画。グリーン水素とは、水を電気分解し、水素と酸素に還元することで生産される水素のことで、製造工程においてもCO2を排出しないことで注目されている。生成されたグリーン水素はすべて、グリーンゲート事業所のフロート窯の燃料として供給。Lowカーボンガラスの生産に活用され、同事業所では年間1万5000トンのCO2削減効果を見込んでいる。
同プラントは、同国内で水素製造プラントの開発を行うグレニアン・ハイドロジェン社主導のもとで2025年に建設を開始し、2027年から同プラントで生成された水素を活用して、当事業所内のフロート窯においてLowカーボンガラスの生産を行う予定。同社が政府から認可を受け、資金支援を受ける前提で進められる。
同事業所では、2023年に販売を開始したカーボンフットプリントを50%削減した世界最高水準のLowカーボンガラス「Pilkington MiraiTM(ミライ)」を生産した。さらに、地域内の型板ガラス生産設備を同事業所に移設し、型板ガラスとフロート板ガラスを単一の溶融窯で生産するなどの取り組みも行っている。
日本板硝子およびそのグループ会社では、2050年までのカーボンニュートラルの達成を目指し、サプライチェーン全体を通じた脱炭素化に取り組んでおり、特に、製造工程で発生するCO2の削減や再生可能エネルギーへのシフトを積極的に進めている。2030年までに温室効果ガス排出量を2018年比で30%削減するグループ目標は、日本のガラス製造業として初めて「科学的根拠に基づいた目標」としてSBTイニシアティブに認定されており、同プロジェクトはこの目標達成に向けた取り組みの一環。
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