環境省は、国立公園内の建物に太陽光発電施設を設置する場合のルールづくりに乗り出す。屋根に取り付ける太陽光パネルの色や大きさなどに関する基準を設け、景観に悪影響が出ないようにする。モデルとなる公園での実証事業などを通じ、2026年度ごろまでに具体的な条件を示す。
環境省によると、全国の国立公園にある太陽光発電施設は14年2月末時点で26件だったが、23年3月末時点では129件まで増えた。
政府は、50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた再生可能エネルギー導入策として、国立公園での太陽光発電施設の設置を進める考え。開発を制限する公園内の「特別地域」では設置に国の許可が必要だが、住宅や観光案内所などに限り、基準を満たせば不要とする。
環境省は今年度中に、適切な日照時間を確保できる国立公園1カ所を選定し、基準策定に向けた実証事業を開始する。色や形状が異なる数種類のパネルを使って、季節や時間帯に応じた見え方を評価する。
26年度まで検証や専門家からの意見聴取を進め、景観を損なわないための基準をまとめる。目立たない色や明るさ、大きさなどについて具体的な条件を示す考えで、基準は国立公園だけでなく、都道府県が管理する国定公園についても適用する考えだ。
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