YKK AP(東京都千代田区)は7月25日、秋葉原駅前広場に既存ビルのミニチュアとして製作した実証実験ハウス「Akiba ZERO BOX(アキバ・ゼロ・ボックス)」を設置し、次世代型ソーラーセル(ペロブスカイト太陽電池)を用いた「建材一体型太陽光発電(BIPV)」の実証実験を開始したと発表した。期間は10月20日まで。
同社と千代田区およびAkiba.TV(東京都千代田区)が、7月に締結した「建材一体型太陽光発電による再生可能エネルギー性能の実証実験に係る連携に関する協定書」に基づいて行うもので、トレーラーハウスを既存ビルのミニチュアとして製作。ビルの屋上に見立てた屋根にはシリコン系太陽光パネルを、窓部にはガラスタイプのペロブスカイト太陽電池を用いた「建材一体型太陽光発電」を実装する。内窓タイプのBIPVは、既存ビルへの設置やメンテナンス性に優れ、発電機能に加え「断熱・防音」効果を得ることができるという。
同ハウスは、千代田区の情報を発信するインフォメーションセンターの役割も担当。ハウスの維持・運営に必要な電力を自給するとともに、日射量や発電量のデータを収集・検証する。ハウス内見学は無料。
同社は、関電工(東京都港区)と業務提携し、ビルの窓や壁面を活用する「建材一体型太陽光発電」の開発を進めている。同実証実験を通して、これまで進めてきた「窓で断熱」の省エネに、「窓で発電」の創エネを加えて社会実装を目指していく。
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