東京カンテイ(東京都品川区)は7月24日、6月の三大都市圏と主要都市における中古マンション70㎡あたりの価格を発表した。首都圏は、前月から概ね横ばいの4629万円だった。東京都は6532万円(0.8%増)と上値を伸ばしているが、事例シェアの縮小が首都圏全体に影響した。神奈川県は3610万円(0.3%増)、埼玉県は2903万円(0.9%増)といずれもプラスを示したが、前年同月の水準を上回るには至らなかった。千葉県は2693万円(0.8%減)と反転下落し、年初来の最低値を更新した。
都市別では、東京23区が前月比1.2%増の7475万円と2カ月連続上昇。都心6区は1.1%増の1億2058万円と17カ月連続の上昇となり、上昇ペースが加速。1億円台から1.1億円台まで1年近くかかったのに対し、1.2億円台まではわずか半年だった。全エリアがプラスを示し強含みが続くが、都心部以外は一部の行政区が平均を押し上げているに過ぎない。さいたま市(2.1%増)は、価格水準が比較的高い大宮区や浦和区の事例増加により上昇率が拡大したが、年初来のピークから90万円ほど下回った。横浜市(0.4%増)、千葉市(0.3%増)も小幅ながらプラスとなったが、いずれも4月の水準には届かなかった。
近畿圏は小幅ながら上昇、中部圏は下落も4月の水準上回る
近畿圏は前月比0.3%増の2850万円と反転上昇。大阪エリアの強含みが全体の価格を押し上げた。大阪府は0.7%増の3100万円と3カ月連続で上昇し、前年同月比は昨年7月以来のプラスを示した。一方、兵庫県は0.4%減の2439万円と2カ月連続下落し、前年同月比の下落率は4%台に達している。都市別では、大阪市が前月比1.0%増の4030万円と3カ月連続上昇し、集計開始以来初の4000万円台に乗せた。前年同月比もプラスに転じ、一段と上振れしている。市中心部は1.4%増の5836万円と6カ月連続上昇、前年同月比の上昇率も8%台と都心6区に次いで高い。一方、神戸市(1.5%減)は引き続き下落し、前年同月比の下落率も大幅に拡大している。
中部圏は前月比0.8%減の2228万円、愛知県は0.9%減の2355万円といずれも下落に転じたが、4月の水準は上回った。前年同月比は依然マイナスの水準が続く。都市別では、名古屋市が前月比1.0%減の2749万円と反転下落したが、4月の水準は上回った。市中心部は1.0%減の3677万円と3カ月ぶりに下落し、前年同月比もマイナスに振れた。東京23区・大阪市と異なり、名古屋市の価格トレンドに強さや好転の兆しは見られない。
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