東急不動産ホールディングス(東京都渋谷区)、世界最大級の宿泊プラットフォームAirbnb(エアビーアンドビー、米国カリフォルニア州)の日本法人Airbnb Japan(東京都新宿区)、オリエントコーポレーション(オリコ、東京都千代田区)、空き家活用(アキカツ、東京都港区)の4社は7月24日、空き家の有効活用を促進する枠組みを構築するため業務提携を行うと発表した。
2024年公表の「住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」によると、空き家数は2019年調査時から51万戸増の900万戸と過去最多を更新。今後さらに増加すると予測され、空き家放置による倒壊や景観・衛生面の悪化、不法侵入など地域への悪影響が懸念されている。Airbnb・オリコ・アキカツは、空き家関連の資金ニーズに対応する無担保消費性ローン「アキカツローン」の商品化や、空き家のホームシェアリング活用を通じて空き家の流通促進に取り組んできた。
ホームシェアリングの実施には、事前準備・運営などが課題となるが、東急不動産ホールディングスは、社内共創型ベンチャー制度「STEP」において、個人・法人のホームシェアリングを一貫して支援するサービス「AnyLivingS」の実証実験を4月から行っている。
今回、東急不動産ホールディングス、Airbnb、オリコ、アキカツの4社が業務提携をすることで、各社の強みを活かし、空き家のさらなる流通促進に寄与するとしている。
取り組みとしては、空き家のホームシェアリング関連サービスを提供するワンストップサービスの実証実験を開始する。アキカツの空き家物件のデータベース、オリコの事前保証を活用した地域金融機関による資金付け、東急不動産ホールディングスの「AnyLivingS」によるホームシェアリング事業支援、Airbnbの集客力を組み合わせることで、ホームシェアリングの実施をサポートする。また、ホームシェアリング中の物件が売買可能なマーケットプレイスも構築する予定。空き家の活用だけでなく、二次流通以降へも貢献するとしている。
これにより、物件取得から売却までを一貫してサポートする体制を整備し、多くの人が気軽にホームシェアリングを開始可能とする。空き家再生の実現に加え、同物件がAirbnbやホームシェアリングのプラットフォームに掲載されることで、各地の観光振興につなげる。
ホームシェアリング一貫支援サービス「AnyLivingS」は、誰もが気軽にホームシェアリングを始めるための支援サービス。空き家の有効活用と地方不動産の流通促進をミッションに、収益性の良い物件の選定から、内外装のリノベーション提案、物件収支計画の策定、日々の運営、業者への連絡まで一貫してサポートする。
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