タウン建設の2代目・出井拓也さんは、銀行員から工務店の営業マンを経て2011年、同社の社長に就いた。父親の個人事業を法人化し、「事業」として成立させるために東奔西走。社員が10人を超え、受注が安定した今も、社員のため、そして地域のために未来を見つめて走り続ける。 【編集部 荒井隆大】
1990年、出井さんの父が大手ハウスメーカーの施工店として同社を創業した。しかし数年後にはバブル崩壊の影響で業績が悪化し、父は事業を縮小して個人でリフォームなどを請け負うようになった。
「子どもの頃は父に連れられて現場にもよく行っていた」出井さんだが、建築の道には進まず、高校を卒業すると東京の大学で経営学を学ぶ。当時の夢は「経営者になること」。大学卒業後は鳥取の地方銀行に入行し、5年間、渉外担当として経営者と接する日々を過ごした。
銀行を退職する際、出井さんは次の道を「車にするか住宅にするか」で迷ったという。どちらも大きなお金が動く世界だが、家業であったことも決め手になり、住宅業界で起業する決意を固めた。
会社の成長につれ 持続性を意識するように
出井さんは、地域工務店の営業に転職。3年間の“修行”を経て 2011年2月、父から屋号を継承して法人化、社長に就任した。継承したといっても下請けや小工事から、新築注文住宅に業態を転換したため、出井さんにとっては「会社を継ぐというよりも創業するような気分だった」という。
1棟目は幸先よく知人から受注できたが・・・
この記事は新建ハウジング7月30日号16面(2024年7月30日発行)に掲載しています。
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