今回は、私の自宅の小さなリフォームを紹介したい。私の年齢とほぼ同じ、築52年の2階建て。1階は石レンガの組積造、2階と屋根は木造プレハブだ。ここに住み始めて7年目。これまで北側の小さな窓の交換などを行ってきたが、今回はじめて少し大きな事業として、屋根裏、2階天井の断熱・蓄熱リフォームに挑んだ。
当時の家にしたら、比較的しっかり断熱してあるほうである。天井にグラスウールの薄い断熱材が60㎜厚で敷いてあった。しかし、ここ数年の夏の猛暑時、2階では、午後3時くらいから、もわっと熱気がこもって不快だった。扇風機でなんとか乗り切っていたが、それも限界があり、エアコンが必要かな、とも思っていた。でもその前に断熱してみることにした。
施工を依頼したのは、一人親方として商売する近所の大工・木造建築エンジニアのマティアス・ヒン。内装建築デザイナーの奥さんが彼を背後でサポートしている。大きな工務店でやりたがらない小さな増改築に自分のニッチを見つけて、忙しくも楽しく働いている。
私の自宅の屋根裏は物置として使っているので、荷物をスライドさせながらの作業だった。マティアスがガスマスクと長袖シャツの装備でパーティクルボードを外してグラスウールを取り出し、袋に密閉。この間、防護装備を持っていない私は、健康上危険なので立ち入り禁止だった。
その作業が終わると、私が、断熱材を入れる梁と梁の間の枠を掃除。その間、マティアスは160㎜厚の木質断熱材を丸鋸で枠の大きさに合わせて切断。それを私が埋め込んでいく。仕上げは、マティアスが切断した18㎜厚のOSBボードを被せて、ビスで固定。そして荷物をスライドさせて、次のスペースへ。
このルーチンワークを10×14mの面積の真夏の屋根裏天井で6日間続けた。午後はサウナのような熱気になる。夏にやる作業ではないが、双方のいろんな事情で夏にずれ込んだ。
Before・Afterの断熱・蓄熱性能
ビフォーとアフターの断熱・蓄熱性能を紹介したい・・・
この記事は新建ハウジング7月30日号9面(2024年7月30日発行)に掲載しています。
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