「neie(ネイエ)」のブランド名で住宅事業を展開する洞口は9月から、全国の住宅会社を対象にneieの家づくりの根幹となる設計施工の技術提供をメインとした「ネイエネットワーク」を開始する。加盟店の家づくりの底上げを図りながら、技術力の向上にとどまらず、“暮らし方の提案”まで含めた人材育成にも裾野を広げたサポートも行っていく。
ネイエネットワークは、一般的なFCやVCとは異なり、規格住宅などの商品や独自資材の提供ではなく、同社が展開するネイエの住宅を具現化するためのノウハウを集約した技術提供がメインとなる。加盟店はネイエのブランド名を掲げずに、自社商品として組み込みながら、同社の高い設計力を生かした商品提供が可能となる。
ネイエは大手ハウスメーカーによる画一的な家づくりとは対極にある「ていねいな家づくり」(同社)をモットーとする。気候風土をひも解きながら、経済合理性が高い環境負荷を抑えたパッシブデザインにも注力している。愛知県(名古屋市近郊、尾張・西三河)、三重県、富山県(一部エリア)を商圏とし、この10年で8店舗まで拡大させた。商圏外からの問い合わせは年間600件を超える。
専務執行役員の洞口学さんは、同ネットワークを開始した理由について、「商圏は店舗から1時間半までのエリア。夢は全国津々でネイエの世界観や家づくりを広めていくこと。志の高い工務店に、この10年間培ってきた設計ノウハウを提供していくことで、日本の家づくりや住文化を変えていけるのではないかと思った」と語る。
具体的な提供物としては、ネイエの設計レシピ、▽意匠、納まり標準図、▽プラン添削、フィードバック、▽同社社員による完成物件レビュー会の参加権、▽プランプレゼンテーション例の提供、▽事例写真の提供―としている。
しかし、例えば意匠や納まり標準図の提供を受けたとしても、自社の設計士が勘所を押さえていなければ、現場で実践することはハードルが高い。そこで同ネットワークでは、ネイエの8店舗で、完全クローズドで開催している完成物件での「設計レビュー会」の参加権利を付与し、設計の裏側まで開示することで、プランづくりの詳細な手法を含めて提供していく。その他にオプションとして、ネイエの設計士が加盟店支援として、フラグシップとなるモデルハウスの設計をすることも可能だという。
9月には全国の住宅会社に向けた第1回の加盟店説明会を開催する。詳細は専務執行役員・洞口学さん[email protected]まで。
この記事は新建ハウジング7月30日号6面(2024年7月30日発行)に掲載しています。
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