多賀工務店は5月、事業再構築補助金を利用して高性能にリノベーションしたモデルハウス「C Studio(シースタジオ)」をオープンした。築70年の空き家を改修し、断熱性能はHEAT20・G3の水準まで向上。内外装には、“自社がいま一番いいと思える素材”を用いて、非日常的なリゾートライクのデザインに。性能もデザインも「いい意味で面影がなくなる」ほどのモデルで、新築・リノベ両方に作用させながら提案の差別化を図る。【編集部 佐野元基】
今回、事業再構築補助金を使って建てた高性能リノベモデルは、「あくまでも1つの武器(提案の引き出し)として持っておく」ためにチャレンジしている。当初は、新築のモデルハウスをつくる計画もあったが、「福山市周辺の競合他社を調査した結果、新築の高性能モデルはあるが、高性能リノベモデルはないため差別化になる」と判断した。補助金の申請と並行してベースになる物件を探し、事務所の隣にある空き家を購入して1年をかけて改修した。
同社の受注は、新築9割に対しリノベ1割の割合。2023年にはリノベの提案の幅を広げるために、リノベブランド「Re.style(リードットスタイル)」を創設した社長の多賀広幸さんは「リノベだけに注力するわけではなく、新築とリノベ、双方で受注していくための投資」と位置づけている。
住宅性能・デザインとも 面影がなくなるほどに
空き家の高性能リノベにあたって目指したのは「いい意味で面影がない」こと。築70年の住宅を、元の雰囲気を生かした改修ではなく、新築と見間違うようなデザインと性能を備えたモデルハウスに改修し、新築でも通じる性能・意匠を顧客に提案できるよう計画した。
デザインは・・・
この記事は新建ハウジング7月30日号4面(2024年7月30日発行)に掲載しています。
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