現場の施工品質に徹底的にこだわるN Styleホームは、同社初となる断熱等級7の住宅の建築を関市内で進めており、7月20・21日、断熱・気密工事を済ませた段階で構造見学会を開催した。同社社長の西村弥さんは「高い初期性能を長期間にわたって持続させることで、住まい手がずっと安心して快適に暮らせる環境を提供したい」と、こだわりの理由を見学に訪れた人たちに伝えた。【編集部 関卓実】
現場を公開した住宅は、延べ床面積約36坪の平屋。施主は建設会社に勤める30代の夫と20代の妻の夫婦で、10月に出産を控える。同社は、断熱等級6(UA値0.36W/㎡K)以上、耐震等級3(許容応力度計算)、C値0.5㎠/㎡以下(保証値)を標準仕様としているが、「家族が快適に暮らせる夏でも涼しく、冬でも暖かい環境はもちろんだが、職業柄、住宅の性能や施工技術に対しても関心が高いご主人の希望もあり、断熱等級7の住宅にチャレンジすることができた」と西村さんは話す。高性能を特徴とする同社としては、ハウスメーカーらが「断熱等級7対応可能」をうたい、「超高気密・高断熱」といったワードが市場にあふれるなかで、「早めに断熱等級7の実績をつくりたい」という思いもあった。
同住宅のUA値は0.24W/㎡K。気密測定はこれからだがC値0.1㎠/㎡台を想定する。C値は保証値0.5以下としているものの、実際には0.2前後の数値で安定している。壁の断熱は、高性能グラスウール(20K)105㎜厚の充填と同89㎜厚による付加断熱。屋根の断熱は、登り梁にツーバイ材(2×10)を用いて同じ高性能グラスウール(20K)を充填したうえで、室内側にスタイロフォーム40㎜厚により付加断熱する。ベースと立ち上がりを一体打設した基礎の断熱は、立ち上がりにスタイロフォーム100㎜厚、折り返し(910㎜幅)に同60㎜厚を敷設した。
南面に日射取得を考慮した大開口を設けるなどパッシブデザインを採用しており、窓は南面にAPW330(YKK AP)、それ以外にはAPW430を用いた。換気は第一種熱交換換気システムの床面から排気するsumika(マーベックス)を導入。冷暖房は、LDKと玄関に設置した6畳用の壁掛けエアコン2台で全館をカバーする。西村さんは「高い躯体性能とパッシブデザインにより、室温は冬場でも15℃を下回ることはなく、年間の冷暖房費(電気代)は3万円を切る」と説明する。
セトリングを考慮したこだわりの断熱施工
同社の家づくりの最大の特徴は・・・
この記事は新建ハウジング7月30日号3面(2024年7月30日発行)に掲載しています。
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