全国立公園に宿泊施設誘致　魅力向上へ、31年度までに―政府

岸田文雄首相は7月19日の観光立国推進閣僚会議で、国立公園制度の開始から100周年を迎える2031年度までに、全国に35カ所ある全ての国立公園に宿泊施設を誘致する方針を表明した。高級リゾートホテルなどを誘致する一方、既存施設の改修や自然体験の提供を通じ、国立公園の魅力向上を図る。

伊藤信太郎環境相は同日の閣議後記者会見で「地域の理解、環境保全を前提に世界水準のナショナルパーク化を実現すべく、民間活用による魅力向上事業を実施する」と述べた。　　

環境省は、増加が見込まれる訪日外国人や多様化する旅行者のニーズに対応するため、16年度から国立公園の付加価値を高めるための施策を検討してきた。現在、高級ホテルなどの誘致を想定したモデル事業を十和田八幡平国立公園の休屋・休平地区（青森、秋田両県）や中部山岳国立公園の南部地域（長野、岐阜両県）など4カ所で実施している。