2024年度の最低賃金引き上げ額の目安について議論する中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は18日、第3回小委員会を開いた。労働者側は物価高などで生活が厳しくなる中、全国の都道府県の半分程度で時給1000円以上とするため、現在下回っている地域を中心に目安額を67円引き上げることを要求した。一方、使用者側は具体的な水準を示さなかった。
歴史的な高水準の賃上げ率となった24年春闘の状況や物価高を追い風に、前年度を上回る引き上げを目指す労働者側と、中小企業の支払い能力を見極めるべきだとする使用者側に隔たりはある。23日の次回会合を踏まえ、月内の決着を目指す。
現在の最低賃金は前年度に過去最大の43円増(全国加重平均)を実現し、時給1004円(同)となっている。都道府県別では、最も高い東京都が1113円で、最も低い岩手県が893円220円の差がある。現在1000円を下回っているのは全国で39道県。
連合は、今後2年程度で「すべての都道府県で1000円以上」を目標に掲げている。まずは24年度に、最低賃金の低い地域を中心に67円引き上げ、都道府県の半分ほどで1000円以上を達成したい考え。
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