すまい倶楽部は今年3月、事務所・店舗建築の受注獲得を本格化させるため、ブランド「福島空間COVO(コーヴォ)」を立ち上げた。現状の体制でも対応しやすい規模の店舗や事務所を主な市場に、収益源を増やすことで自社の持続可能性を高めていく。
ブランド名の「COVO」は、イタリア語で隠れ家の意味。社長の田子浩彰さんが「仕事でも心がわくわくすることは大事。わくわくできる空間を提供したい」との思いを込めて命名した。
以前から店舗や病院を受注していた一方、メインの住宅(注文戸建て)事業は「地域に根差しすぎて」商圏が広がらず、若い人材を採用・育成する基盤となる受注が獲得しにくくなっていた。田子さんは「若者が活躍できる仕事の場をつくる」ために、以前から興味を持っていたBtoB領域を、新たな自社の柱に据えることにした。
福島空間COVOで主に狙うのは店舗や事務所で、金額にして5000万~6000万円程度の案件。特定建設業の許可を取得しておらず下請けへの発注金額に上限(4500万円)があるうえ、1億円を超えるような案件を受注すると、自社のキャッシュフローも悪化しやすいからだ。
木造にこだわりすぎず離れすぎもしない
工務店が手がける施設というと木造が前提のようにも思えるが、田子さんは「木造にこだわりすぎるつもりはない」として、大スパンの空間などにも対応しやすいシステム建築(S造)を導入。S造やRC造は、中大規模木造に比べ技術者が多いという利点もある。
もちろん工務店として、内装の木質化などは推進する。田子さんは工務店を「林業、材木店、プレカット、大工など、木材に関わるプレーヤーのフロントランナー」とし「木造から離れすぎない」ことが重要だとする。
一方で・・・
この記事は新建ハウジング7月20日号3面(2024年7月20日発行)に掲載しています。
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