企業の合併・買収(M&A)調査を手掛けるレコフデータによると、日本企業が関わる今年上半期(1~6月)のM&Aは前年同期比19.4%増の2321件と、調査を開始した1985年以降で最多となった。上場企業が新興企業を買収するなど国内企業同士の案件が寄与した。合計額は国内企業による海外企業の買収が押し上げ、11.3%増の9兆803億円だった。
レコフは「新型コロナウイルス禍で停滞していた企業の事業構造改革や海外買収が回復傾向にある」(担当者)と分析する。
件数の内訳は、国内同士が1823、国内企業による海外企業のM&Aが340、海外企業による国内企業のM&Aが158と、いずれも増加した。
上場企業が子会社などを売却する「カーブアウト」は9.3%増の200件だった。
金額では、半導体大手ルネサスエレクトロニクスによる米ソフトウエア開発会社アルティウムの買収(8897億円)のほか、積水ハウスによる米住宅販売会社MDCホールディングスの買収(7711億円)が目立った。
野村証券の清田亮グローバルM&A統括は取材に対し、「企業はコロナ禍後の成長戦略を練る中、円安というハンディがあっても海外M&Aが必要との意識を強めている」と指摘した。
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