中央日本土地建物グループ(東京都千代田区)の子会社、中央日本土地建物(東京都千代田区)は、港区西新橋一丁目において木造化・木質化オフィスビル「(仮称)西新橋一丁目プロジェクト」を着工した。竣工は2026年2月の予定。
同社グループが展開する中規模オフィスシリーズ「REVZO」シリーズの第5弾。同事業では「REVZO」の付加価値を深化させ、ワークプレイスの快適性向上と脱炭素社会に貢献する木造化・木質化オフィスを開発する。敷地面積338.44㎡(約102.37坪)。鉄骨造・木造の地上10階建て、延床面積2623.00㎡(約793.45坪)。
「REVZO」の機能やデザインをベースに、建物の柱・天井・内外装などに木材を使用し、木の柔らかさ・温かみを実感できるオフィス空間を実現する。同社グループの保有林に自生するカラマツを「耐火集成材」に加工し、一部の柱の構造体(荷重支持部)に活用するほか、クリーンウッド法で「産地認証」を取得した国産材を積極的に使用。保有林の木材を仕上材・家具の一部に活用することも検討している。同事業の木材使用量は118㎥、貯蔵されるCO2は約79t-CO2と想定している。
天井には、竹中工務店と日鉄建材が共同開発したCLTとデッキ合成スラブを組み合わせた「KiPLUS DECK」を導入し、上質な木質天井を実現。照明、設備配線の合理的な配置が可能で、テナントの多様なニーズに対応する。執務室の柱の一部には竹中工務店の耐火・木造技術「燃エンウッド」を採用し、木材部分を「あらわし」とすることでリラックス空間を演出。オフィスフロアには、「REVZO」標準仕様のバルコニーや開閉可能な窓を設置するほか、今回はリフレッシュスペースも設けることで、多様な働き方をサポートしていく。
1階の共用ラウンジは、木材をダボで接合した部材をアーチ状に構成した「DLTヴォールト天井」を採用し、印象的な空間デザインとした。屋上には「自由な働き方」を支援する緑化テラスを設け、日差しを遮る庇とコンセント付きのベンチを設置する。エントランスでは、デジタルサイネージに同事業に関連する自然風景や、構造材にまつわるストーリーを投影し、ワーカーや来館者の創造性や好奇心を高めるという。
同事業は、同社グループ所有の山林における森林管理面の配慮や、施工難易度の高い木造柱と鉄骨梁の接合にかかる技術面などが評価され、東京都農林水産振興財団の「中・大規模建築物の木造木質化支援事業」「木の街並み創出事業」に採択されている。
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